🏃♂️【レース備忘録】2019別大🏆レース後編
◆21〜25km
18km辺りを過ぎた頃から、パッと開けた海の景色に心を奪われていた。大好きな宮崎の青島太平洋マラソンの海岸コースにも少し似ている気がする。どうやら自分は海コースが好物のようである。
いよいよ20km過ぎから中盤の難所、”バンク”が始まる。うねるカーブの始まりと終わりの傾斜が激しく、素直に通ると、細かいアップダウンの繰り返しをモロに受けることになる。
ここで勇気を出して、エイや!と集団を出る。
過去の別大動画を見てトップ選手のコース取りを念入りに記憶していたので、ここはそれをなぞることに集中したかったから。
プラス、内々の最短コースを意識。自ずと傾斜の影響も少なくて済んだ。ここでも、さんたろさんのアドバイスが活きまくっていたのである。本当に有難い。
そしてテレビで見て想像していた程のキツさや走りにくさを感じることなく、バンク地帯を後にする。
ちなみにハーフの通過は1:28:57。
スタートロス含め4:13/kmのペースで来ていた。フルのベストが出た昨年10月の水戸よりも遅い通過だが、気にはならなかった。軽い、もう半分かという印象。フルで色々と上手くハマっている時に感じるあの感覚だ。
その後、給水に少し手間取ったが、一口だけ飲み、あとは頭から被った。
5km rap 20’50”
25km通過1:45:11
◆25km〜30km
バンクのコース取りに集中していたため、ジェルの摂取タイミングが遅れた。ここでようやくショッツ梅。30km以降に向け、カフェイン80mg入りのイカつい奴だ。
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個人的に、このカフェイン入りジェルは、飲み終えてから15〜25分後に30km地点を迎えるようなタイミングで摂るようにしている。
カフェインの効能により疲労がポンと飛んだ気になりハイになった所で、一番キツイであろうポイントを迎えたいからである (思考がもうどうしようもない 笑)
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更にアミノバイタルを一袋。
バンク地点で集団を離れ、自分の巡行ペースになったからか、下り基調の区間なのも相まってややペースが上がる。
しかし、落ち着け、本番は30km以降だと言い聞かせる。
コースは大分の中心部へ。
市街地に入るにつれ、沿道の応援も増してくる。小学生の兄弟がハイタッチをしたそうに手を出していたので、思わず寄ってありがとう❗️と。 心のエネルギージェル注入完了だ。
29km地点。さぁ、1回目の橋アップダウンだ。弁天大橋よ、かかってこい!と腹筋に力を入れて登りモードに切り替える。
って...ん?もう終わり?
コース最大のアップダウンは難なく終わってしまった...拍子抜けというのが正直なところだった。
『皇居』周回練、5週目以降の方が遥かにキツい。『赤坂御所』周回の8周目 以降に比べれば他愛もなかったのだ。
横殴りの風でもくるかなと、少し身構えていたが、橋の上にきても風は感じず。
橋を渡り終えて30km地点通過。
時計を見るとタイムは2時間5分台。
脚も十二分に残っている感触。
少し早い気もしたが、ここで初サブ3を確信し始める。
後は、どこで上げるか、出し切るか、を模索しながら進むこととなった。
5km rap 20’42”
30km通過2:05:53
◆30〜35km
橋を渡ってしばらくすると、高校生野球部の応援軍団。初サブ3が目前に迫った嬉しさか、はたまたカフェインが効きだしてハイになっていたからなのか、応援に合わせて勢いよく拳を振り上げた。声援のお返しをいただき、ありがとう❗️とひと声。
給水は序盤から変わらず、一口含んで被る。
風は未だに感じていない。ほぼ無風ではなかっただろうか。
しかし、もし仮に天気の気まぐれで35kmの折り返しから強く吹き始めたとしたら、それはもう向かい風のはず。
それを考えると、余力は欲しい。
いま急激にペースアップするのは危ない。
よし、35km以降の最後の橋を渡り、下りで加速。残り5kmで全てを出し切り、最速ラップを狙おう。
プランは決まった。
最後のジェル、ショッツ梅を飲み干すと間もなく折り返しだ。
5km rap 20’50”
35km通過2:26:43
◆36〜40km
35km。最後の折り返し。
果たして、試練の風は吹き始めるのか。
....!!
おお!無風だ!
マラソンの神様、そして別大の神様、ありがとう。今日、この地点を折り返す何人のランナーが同じことを思い、感謝したことだろう。
終始、絶好のコンディションだった。
後はスパートをかけるだけ。
このまま上げられたら56分台も出るかもしれない。
期待に胸を膨らませながら、最後の橋の下りで加速。このまま出来る限り上げよう。可能ならばキロ3分台のラップを残して終えようと意気込む。
が、橋を渡り終えてしばらくすると
ピクッ....
右脹脛から痙攣の感覚。
あ、まずい...
たぶんこのペースを続けたら、確実に”つる”だろう。最悪、そのままストップになるかもしれない。
サーっと血の気が引くのを感じた。
咄嗟にスピードを落とす。
給水が見える。
どうする、水をかけてみるか。
少し止まろうと更にスピードを緩めると
ピクピクッ...!!
あぁこれは本当にダメな奴だ。
行くも地獄、行かぬも地獄の一番まずいタイプの痙攣である。
兎に角、つらないように必死にコントロールする。全神経が右脹脛に注がれていた。
ピクピク、ピクピクピク
なにを自惚れていたのだろう。30kmで初サブ3確信なんて。恥ずかしい。神様、本当に申し訳ありませんでした。願わくば、元気よくラストのトラック400mを走らせてはいただけないでしょうか。
天国から一転、地獄へ。
5km rap 21’06”
40km通過2:47:49
◆ラスト
兎に角、ここで釣るわけには絶対にいかない。
必死にペースをコントロールする。
気がつけば、どんどんと後続のランナーの方々に抜かされていく。
痙攣は収まり気味だ。
なんとか保ちそうだが、この区間はひたすらに悔しかった。
それでも、大分川沿い、最後の曲がり角を抜けて大分市営陸上競技場が見えると心が踊りだす。
テレビで見たあのラストの陸上競技場の門をいま、サブ3を目前にしながらくぐろうとしているのだ。
競技場に入ると、眼前に鮮やかなオレンジ色の陸上トラックが広がった。
思わずサングラスを取る。
この景色をしっかり目に焼き付けよう。
きっと一生、忘れることは無いのだろうと思いながら走る。
奥さんは無事に着いてるだろうか。
どこかで観てくれているのだろうか。
最後のカーブを曲がるとき
『〇〇ちゃーーん!』
『〇〇ちゃーん!、がんばれーーー!あとちょっと!がんばれーーー!!』
!!
奥さんの声、ちゃんと聞こえた!!
よかった!ありがとう!
手をあげて応える。
ありがとう!
両手を広げてゴール。
『ッシャア!!』
思わず声が出た。
Finish 2:57:46